木造の防音設計

専門業者や研究者たちは、計算式で遮音性能や音響を設計することがあります。

物理的な傾向や予測を行う際の目安にはなりますが、これは大半がコンクリート構造の場合です。特に木造軸組在来工法の住宅や音楽室においては、計算式では「音響・防音設計」は出来ません。

 

それは、室内の形状や大きさ、天井・床下・壁内の構造及び空間の奥行き、使用する断熱材、軸組・下地合板などによって大きく左右されるからです。

たとえば、使用する断熱材と気密性だけでも吸音能力が変化するので、防音性能も変化します。アクアフォームなど発泡材を使用すると、通常のロックウールやグラスウールに比べて吸音性が大幅に低下し、従来の木造住宅が持っていた遮音性能すら確保できません。

 

木造の防音設計は経験値と使用する構造的な補強、遮音・制振・吸音構造や内装材などによって補正しなければ、想定される性能を確保できないのです。単純なマニュアル・計算式では設計できません。